長期トレンド探索中

私的企業研究ブログ(主に株式と企業に関する話題を収集)、更新頻度とレベルは低い。

仕手株でしっかり儲ける投資術 中原圭介 



評価:☆☆☆☆★(4.3)

なんというか、ありがちなタイトルで投資のハウツー本かと軽い気持ちで手に取ったのですが大間違いでした。
投資本などという生易しいレベルじゃないですね、仕手株投機本(あるいは仕手株研究本)です。

著者は100万円の元手を3年で7000万、奥付の著者紹介によれば1億4000万まで増やし、現在はフィナンシャルプランナーとして活躍中だそうです。


マーケットの魔術師シリーズにある”他の参加者(この場合仕手筋)の頭の中を読む”レベルの投資家ですね。

今回高評価なのは、自分が仕手株に関して殆どノーマークだったこともあります(以前は成長なくして株価の上昇は無く将来を考えることを優先していたため)

そんな仕手株初心者の自分が独力で本書の知識に相当するものを経験や聞きかじりで習得するには恐らく2〜3年掛かっても難しいと思うのでそれだけ近道できたという意味で高評価をつけました。

ただ、仕手筋の動きに相乗りして担いでもらう手法なので不発だった場合の対処法とか失敗談なども後学のためにもっと欲しかったですね。
当然売り時を誤れば高値で取り残され何割も失うリスクがありますから手持ち資金の一部で行うボーナスゲーム的なものと割り切り、投資手法の一部に留めるのが無難だと思います。
そもそも仕手筋も株価の引き上げに失敗するそうなので過度の期待は禁物です。


まとめ
「玉を転がす」玉集めで浮動株の多くを支配し、時価よりも高い価格で板を出し、これを自身の資金で買い上がる行為。

「振るい落とし」説明略、リンク先をどうぞ

「情報操作」巷に流れる仕手の情報は仕手筋が息の掛かった投資顧問業者や証券外務員などに情報を流した結果であり、又聞きなど末端に情報が流れる時には仕手筋は売り抜けを意図している。
(買い煽りが多いときは売りたがっているというとはあながち見当違いでもない?)。

「来期の業績拡大期待」「○円配当」など四季報に書いてあるような取ってつけたような上昇理由、「空売りも踏み上げの動き」などマスコミに流れる頃には仕手筋は逃げている


売り抜け
・「信用取り組み」仕手筋の中には意図的に信用取り組みを操作する場合もあるらしい。

外資系証券のレーティング引き上げには保有銘柄売り抜けの意図があるらしい

心得
仕手株の動きは仕手筋によって演出されるものなのでテクニカル分析は役に立たない、テクニカル分析を捨てる度胸が必要(意図的に悪いチャートを作り売り誘うことやその逆もあるらしい)。

・大陽線の翌日に大陰線や上ヒゲを出すなどして見切り売りを誘う。

・仕手株で信用できるテクニカル指標は動き始めと天井を打った局面のローソク足チャートと出来高。天井では上ヒゲや陰線が浮動株を超える出来高と共に普通に現れる。

・仕手戦で失敗した仕手筋は、含み損を抱えた大量の株を金融屋や他の仕手筋に買い取ってもらう場合があり、安く仕入れた株券を元に別の仕手筋が半年や1年後に相場を仕掛ける場合がある。


仕手株に共通する不自然な値動き
1、上る材料もないのに少しずつ上昇(インサイダーでなければ会社側も理由を知らない)
2、買い手が玉集めの買い方をしている
3、値上がり率上位に突然顔を出す・・・・・・短期決戦


・厚い売り板(見せ板)で売りを誘い、集まらなくなればボックスを引き上げる。極端な価格の開きなど買い難い板は買い。

・売り玉が出てこなくなる。出来高が減少しても株価が下がらなくなれば買い時。

・地合を考える。大型株に買いが集まる地合では仕手株は奮わない、ボックス圏が望ましい。逆に個人が提灯買いする余力に乏しい下げ相場でも仕手筋が仕掛けることは少ない。

・売却は9時から10時の間が多い。特に高値圏の大陽線の翌日の窓明けは売り時「大陽線+長い上髭」の形成の可能性大。

・仕手筋が売り抜けるためには大量の出来高が必要、よって出来高が多い日は売り時。発行済み株式を超える出来高の相場は短命でせいぜい3日しかもたない。

・仕手株でナンピンはしない。仕手筋がついていない場合や相場が終わっている場合もある。

2回目の参戦(あや戻し)は参戦しない。3割が戻って来ない上に値幅が少なく旨みに欠ける。

・仕手株の空売りは基本的にしない。中には5倍以上になるものもあり、特に慎重に行う必要がある。


ファンドの買いを確認しながら買う周到さ、仕手筋が途中で挟む閑を堪える辛抱強さが玄人レベルですね。
この本の視点、買い方の意図・板の出方を考慮しろというのは本当に大切なことだと思います。

本書には説明のために仕手株の価格の推移を記録したデータや実際に著者が目撃した板情報、チャートなどの図表、仕手銘柄(30銘柄くらい?)が掲載されていますが、それらについては購入するか借りて読んだ時に自身の目で確認すべきものなのでここでは触れません。

どうしてこう言い切れるのかは各場面・前後の文脈を読んでいただきたい。


注)他の本とのバランスから後日評価を削りました。
[ 2006/12/09 17:50 ] 投資本要約、実践系 | トラックバック(-) | CM(0)
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