評価:☆☆☆★(3.7)
読み物としての評価です。
セブン-イレブン関係の本を一度は読んでおくべきだろうと思っていたところで比較的最近(2005年1月27日出版、IYバンク設立以降)出版されたものでアマゾンのレビューが一定数あるものを選んだら、本書になりました(笑。
また中古価格が安かったのでつい。
著者の勝見明氏がセブン-イレブン会長の鈴木敏文氏にインタビューを重ねて書いた本になります。
鈴木敏文会長の言葉にはセブン-イレブンのトップとして指揮してきた貫禄、力を感じるのですが、著者の勝見明氏の立ち位置が・・自分にはセブン-イレブン(鈴木会長)寄り過ぎるかな?セブン-イレブン礼賛?に感じられました。
陰の面に関する話題がもう少し欲しかったかな?
たとえばこれとか、
これとか・・・まあ、散々取材やインタビューに協力して貰った後で粗を書くのは酷か・・、お察しします(-人-)
セブン&アイ・ホールディングスの誕生が本書の出版後、 2005年9月1日なので本書では触れられていないことも残念、次のセブン&アイ・ホールディングス本に期待しましょう。
つまらない本では決してないのですが、上記のことを考慮して割り引いた結果、評価3.7としました
(評価は他の本との兼ね合いで後日変更する場合があります、ご理解ください)。
■鈴木敏文会長の経歴■詳しくはWikipediaを参照してください。トーハンの出版科学研究所で学んだ「統計学」と「心理学」が現在のデータ主義の下地に?
■セブン-イレブンの創業■セブン-イレブンの発祥は
米サウスランド社。
1973年11月、ライセンス契約によりセブン-イレブン・ジャパン誕生。
創業時に会計システムを導入した以外は独自仕様、「単品管理」等の優れた仕組みを導入したことが成功に寄与。
当時の鈴木会長、イトーヨーカ堂若手役員。”言い出しっぺ”として、オーナーの伊藤雅俊氏からコンビニ事業の経営を託される。
(Wikipediaによると失敗時のヨーカ堂株処分と引き換えに呑ませたようですねぇ、凄い)「小分け配送」「共同配送」を実現し、情報システムを外部委託、日本におけるコンピュータ受発注のさきがけとなった。
設立6年弱の79年東証2部上場。当時の最短記録。
日本の小売業売上ランキング首位(出版時)、一店舗当たり平均日販65万円(2位ローソン48万円)、売上高シェア32%。
■セブン-イレブン流経営■・
「単品管理」、単品ごとに売れ筋と死に筋を的確に把握し、商品管理の精度を高める行為。
・一定地域集中出店、高密度店舗出店(ドミナント方式)を採用。
・オリジナル商品売上比率5割以上。
・
「仮説・検証」がセブン-イレブン流
公共施設の近くの店舗、週によって売れ行きにばらつきがある。
→イベントの種類による客層の違いを考慮して発注を最適化し改善。
・知行一致、アメリカでは知行分離が一般的。
セブン-イレブンの本家サウスランド社の経営破綻も知行分離が原因。
・オーナー相談部・・・本部の運営方法に対するオーナーの意見を直接オーナー相談部が受け、トップに伝えられる。
・OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)・・・全国で約1400人、毎週火曜日東京の本部に全OFCを集めて丸一日FC会議を行う。OFCが本部の方針を各店舗に伝える。
■メモ■・本家、米サウスランド社倒産時、640億円で買収。3年後には黒字化し、再上場を達成。アメリカの学者を驚かせる。
・顧客は「今ないもの」については聞かれても何も答えられない
・商品開発、役員以上は毎日昼に、新製品を試食する(チャーハンに1年半・・以下略)。
・IYバンク(現
セブン銀行)
設立に反対意見多数、前例のない新しいことを始めるときには、人の話を聞いても仕方がない。
公共料金等の収納代行サービスの伸びからニーズを判断した。
・ものごとにはある一定のレベルに達すると急速に人気や需要が高まる
"爆発点"がある。リスクを恐れて消極策を取ると爆発点には到達しない。
認知度が低い商品を少数並べても余りものと認識される。
・経営とは顧客のロイヤリティを高めるためにある■感想■自分、この本を読むまでは鈴木会長はセブン-イレブンの設立にゴーサインを出しただけで、後は現場の若手が頑張ったものと思い込んでいたのですが全然違いました。
鈴木会長が中心となって育てて来たんですねぇ。
伊藤雅俊氏も鈴木会長に自由に行動させたことが凄いですね、鈴木会長は十分な実績を示し今の地位にある。本書の言葉にある「商人の伊藤と、
テクノクラートの鈴木」のコンビで栄えた時代が今より少し前、自分が市場に参加する以前に存在したんですね、感慨深い。